2019年大学入試センター試験「生物」第5問「進化と系統」問題・解答・解説

入試問題は白黒ですが、せっかくの画面上ですので一部カラーにしました。

目次

第5問 生物の進化と系統に関する次の文章(A・B)を読み、下の問い(問1~6)に答えよ。(配点18点)

A地球上の生物種は、生物がもつ形質などに基づいて、階層的に分類されている。例えば、近年絶滅が危惧されているニホンウナギが属する分類群を、綱より下位のものについて階層が高いほうから表記すると、となる。

20世紀後半になり分子生物学の手法が発達すると、生物がもつタンパク質や核酸などの分子を調べて、系統関係を推定する分子系統樹解析が盛んに行われた。ウーズらは分子系統解析の結果から、界より上位の分類群であるドメインを設定し、全ての生物を三つのドメインに分類する説(3ドメイン説)を提唱した。また、ゲノムの一部は、異なった生物種間で伝えられることがある。このことを考慮に入れ、a分子から推定された系統関係を、枝分かれのみからなる系統樹の形ではなく、網目の形で表すことがある。

 

問1 上の文章中のア~ウに入る語の組合せとして最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)

 

図2 下線部aに関連して、図1は3ドメイン説に基づいた生物の系統関係を模式的に表しており、2本の破線は、葉緑体またはミトコンドリアの(細胞内)共生によって生じた系統関係を表している。図1のドメインA~Cの名称の組合せのうち最も適当なものを、下ののうちから一つ選べ。(2点)

問3 図1のに入る生物種として最も適当なものを、次ののうちからそれぞれ一つずつ選べ。エ3(2点) オ4(2点)

 

緑色硫黄細菌 メタン生成菌(メタン菌) シアノバクテリア大腸菌 酵母菌(酵母)

ヒト バフンウニ アメーバ ゼニゴケ

 

Bb生物は長い進化の歴史をもっている。約46億年前に地球が誕生した後、原始の海洋中で生物は出現した。当初の生物は核をもたない原核生物であったが、約20億年前には核をもった真核生物が出現した。約5.4億年前以降の紀には現存の動物につながる多くの系統が出現し、ヒト(ホモ・サピエンス)が属する動物の特徴をもつ最古の化石もこの時代の地層から見つかっている。その後、大気中にオゾン層が形成されたことによって、地上に降り注ぐ紫外線量が減少し、動物や動物、c植物など、いくつかの系統の生物が陸上への進出を果たした。

 

問4 上の文章中のカ~クに入る語の組合せとして最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)

問5 下線部bに関連して、生物の変遷に関する記述として、下線部に誤りを含むものを、次の①~⑦のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。(2点×2)

カンブリア紀に出現した生物群として、エディアカラ生物群やバージェス動物群などが知られている。

古生代デボン紀には、魚類の一部から、肺をもち、ひれが四肢に変化し、陸上生活ができるようになった両生類が出現した

古生石炭紀には、高さ数十mもあるリンボクなどのシダ植物が大森林を形成し、その枯死体はやがて石炭となった。

中生代には、爬虫(はちゅう)類が多様化・大形化し、地上では恐竜類が繁栄した

中生代には、子房がむきだしの裸子植物が繁栄し、乾燥地や寒冷地を含む陸上の広い地域に進出した。

新生代には、ものを立体視できる眼(め)や指先に平爪をもった霊長類が出現した。

新生代には、被子植物や哺乳類が繁栄し、地球上のさまざまな環境に適応していった。

問6 下線部cに関して、陸上植物に最も近縁な生物として最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(2点)

ミドリムシ類 紅藻類 光合成細菌 シャジクモ(藻)類 ケイ藻類 褐藻類

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