2019年大学入試センター試験「生物」第5問「進化と系統」問題・解答・解説

解答 (計18点)

(3点) 2(2点) 3(2点) 4(2点)

(3点) 6・7(2点×2) 8(2点)

 

解説

1(問1)

互いに交配が可能で生殖能力のある子孫を残すことができる同じような特徴をもった個体の集まりを「種」(しゅ)といい、生物の分類の最小単位となる。似た種の集まりを「属」、似た属の集まりを「科」、似た科の集まりを「目(もく)」、似た目の集まりを「綱(こう)」、似た綱の集まりを「門」といい、似た門の集まりを「界」といい、これが五界説の界に相当する。(更にその上にドメインを設定する場合もある)。
大きい階級から順に示すと、(ドメイン)界・門・綱・目・科・属・種となる。よって(3点)

2(問2)、3・4(問3)

生物の分類に対する考え方は、二界説→三界説→五界説→三ドメイン説と変化してきた。

更に、ウーズらによる原核生物・真核生物含む全生物が持つrRNAの塩基配列の類縁度からの系統樹分析により、五界説で「原核生物界」という1つの「界」に分類していたものが、細菌と古細菌の2つに分岐していることがわかり、細菌ドメイン・古細菌ドメイン・真核生物ドメインの三ドメインに分岐する見方が有力になってきた。
古細菌は

古細菌ドメインの生物の中は、高塩分濃度・高温などの、今の多数の生物では生存しくにい環境に住むものが多いので「特殊環境微生物」と言われるものも多い。これらな古い地球の環境に多くあったとと考えられるので「古細菌」と名付けられた。好塩菌・好熱菌・メタン生成細菌などが含まれる。

一方、大腸菌・好気性細菌・シアノバクテリアなど、今の地球環境に適応し、私たちになじみが深いものは「細菌ドメイン」に含まれる。
真核生物ドメインは、古細菌ドメインの祖先細胞に、細菌ドメインの原始好気性細菌が共生しミトコンドリアになったことで生じた。その後、更に原始シアノバクテリアが共生して葉緑体になったものが植物である。よって古細菌ドメインと真核生物ドメインには共通祖先がおり、その分岐は細菌ドメインとの分岐より後の時代である。よって一番最初に分岐したドメインCが細菌ドメインである。その細菌ドメインに細胞共生(図の点線)されたのが真核生物ドメインでドメインB、細胞共生されなたったドメインAが古細菌ドメインである。(この図は描き方によって左右どの位置にどのドメインを持っていく形でも複数描ける。つまり問題ごとに位置は異なるので、上記のような視点で見分けること。)よって、(2点)

なお古細菌ドメインや細菌ドメインの系統樹の根元に位置する古細菌・細菌には高温環境に適応したものが多い。これは生命の起源が熱水噴出孔であったことの根拠の1つとされる。

また、問3で古細菌ドメインに入るエ(解答番号3)は(メタン生成細菌)(2点)
また真核生物ドメインでシアノバクテリア共生で葉緑体が細胞内に存在するのは植物で、(ゼニゴケ)(2点)

5(問4)

動物の分類の概要は以下の通りである。

特に三胚葉性動物の出現、新口動物・旧口動物への分岐などの動物の種類が増えたのは5.4億年前の古生代の最初のカンブリア紀であり、「カンブリア爆発」という(火山の爆発ではなく、生物の書類が爆発的に増えたという意味)。オルドビス紀はその次の時代。
海綿動物、刺胞動物(イソギンチャク・ヒドラ・クラゲ・サンゴ)は水中(淡水・海水)、棘皮動物(ウニ・ヒトデ・ナマコ)、原策動物(ホヤ・ナメクジウオ)はすべて海中で陸上進出していない。節足動物は甲殻類(エビ・カニ)など水中生活のものもいるが、昆虫類などは陸上進出した。
よって(3点)

6・7(問4)

は正しいし、知っておくべき内容である。
ではバージェス動物群はカンブリア爆発(5.4億年前)の時の動物であるが、エディアカラ生物群は、それ以前(6億年前)に出現した多細胞生物で、海底に生息し、扁平で運動性が少ない生物群である。
は、裸子植物の繁栄自体は正しい。ただ裸子植物とは、子房(将来、果皮(果肉ともいわれる)になる部分)が存在せず、胚珠(将来種子になる部分)が裸出している植物である。
よって下線部に誤りを含んでいるのは(2点×2)

8(問5)

植物は、光合成色素であるクロロフィルの種類で系統分類される。(同じ組み合わせのクロロフィルを持っているものが類縁関係が近い)

 

バクテリオクロロフィル 光合成細菌(緑色硫黄細菌・紅色硫黄細菌)
・クロロフィルaのみ シアノバクテリア(ラン藻、原核生物、ネンジュモ・ユレモ・アオコ)・紅藻(テングサ・ツノマタ・アサクサノリ)
・クロロフィルa・c   渦べん毛藻(ツノモ・夜光虫)、ケイ藻、褐藻(コンブ・ワカメ・ヒジキ・アラメ・カジメ)
・クロロフィルa・b  ミドリムシ、緑藻(アオミドロ・クロレラ・アオサ・アオノリ・ボルボックス)、車軸藻、コケ、シダ、種子

陸上植物(コケ・シダ・種子)と同じ、クロロフィルa・bを持つのは、ミドリムシとシャジクモであるが、より複雑化し、造卵器・造精器も生まれているの(シャジクモ)が最も近縁。(2点)

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