2023年大学入試共通テスト「数ⅡB」第3問「確率分布」問題(配点20点)・解答・解説

2024年1月12日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴

2023年大学入試共通テスト「数学ⅡB」第3問(配点20点)の解答・解説を作成しましたので、ご活用ください。問題文の最後の所でページ番号「2」をクリックすると解答・解説に飛びます。

2023年のⅡBの他の問題の解答解説は以下の通りです。

2023年大学入試共通テスト数学ⅡB第1問[1](配点18点)問題・解答・解説
2023年大学入試共通テスト「数ⅡB」第1問[2](配点12点)問題・解答・解説
2023年大学入試共通テスト「数ⅡB」第2問[1](配点15点)問題・解答・解説
2023年大学入試共通テスト「数ⅡB」第2問[2](配点15点)問題・解答・解説
2023年大学入試共通テスト「数ⅡB」第4問「数列」(配点20点)問題・解答・解説
2023年大学入試共通テスト「数ⅡB」第5問「ベクトル」(配点20点)問題・解答・解説

2023年のⅠAの問題の解答解説は以下です。

2023年大学入試共通テスト数1A全問題・解答・解説

 

2023年大学入試共通テスト「数学ⅡB」第3問「確率分布」(配点20点)

 

 

以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて正規分布表(問題文最後に添付)を用いてもよい。

(1)ある生産地で生産されるピーマン全体を母集団とし、この母集団におけるピーマン1個の重さ(単位はg)を表す確率変数をXとする。mとσを正の実数とし、Xは正規分布N(m、σ2)に従うとする。
(ⅰ)この母集団から1個のピーマンを無作為に抽出したとき、重さがmg以上である確率P(X≧m)は

 

である。


n=400、標本平均が30.0g、標本の標準偏差が3.6gのとき、mの信頼度90%の信頼区間を次の方針で求めよう。

方針
Zを標準正規分布N(0,1)に従う確率変数として、P(-Z0≦Z≦Zo)=0.901となるZ0を正規分布表から求める。このZoを用いるとmの信頼度90.1%の信頼区間が求められるが、これを信頼度90%の信頼区間とみなして考える。

方針において、z0=カ.キクである。

一般に、標本の大きさnが大きいときには、母標準偏差の代わりに、標本の標準偏差を用いてよいことが知られている。n=400は十分に大きいので、方針に基づくと、mの信頼度90%の信頼区間はケとなる。


(2)(1)の確率変数Xにおいて、m=30.0、σ=3.6とした母集団から無作為にピーマンを1個ずつ抽出し、ピーマン2個を1組にしたものを袋に入れていく。このようにしてピーマン2個を1組にしたものを25袋作る。その際、1袋ずつの重さの分散を小さくするために、次のピーマン分類法を考える。

ピーマン分類法
無作為に抽出したいくつかのピーマンについて、重さが30.0g以下のときをSサイズ、30.0gを超えるときはLサイズと分類する。そして、分類されたピーマンからSサイズとLサイズのピーマンを一つずつ選び、ピーマン2個を1組とした袋を作る。

(1)ピーマンを無作為に50個抽出したとき、ピーマン分類法で25袋作ることができる確率p0を考えよう。無作為に1個抽出したピーマンがSサイズである確率はである。ピーマンを無作為に50個抽出したときのSサイズのピーマンの個数をU0とすると、U0は二項分布

に従うので

となる。
p0を計算すると、po=0.1122…となることから、ピーマンを無作為に50個抽出したとき、25袋作ることができる確率は0.11程度とわかる。

(ⅱ)ピーマン分類法で25袋作ることができる確率が0.95以上となるようなピーマンの個数を考えよう。
kを自然数とし、ピーマンを無作為に(50+k)個抽出したとき、Sサイズのピーマンの個数を表す確率変数をUkとすると、Ukは二項分布

に従う。

(50+k)は十分に大きいので、Ukは近似的に正規分布N()に従い、とすると、Yは近似的に標準正規分布N(0,1)に従う。


したがって、少なくとも(50+チツ)個のピーマンを抽出しておけば、ピーマン分類法で25袋作ることができる確率は0.95以上となる。



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